世界情勢等というものは、どう転ぶか分からないものなので、これも、まった
く今の時点ではという話に過ぎないが、北朝鮮の外交はほんとうにしたたかだと
思う。金日成という男、ただのぼんぼんではなくて、日本の「エリート」外交
官が束になってかかってもかなわないほどの男かもしれない。

「もう、アメリカの堪忍袋の緒が切れて、戦争になる」
「とうとう、虎の尾を踏んだぞ」
そんな、日本の外交評論家の声をよそに、六カ国協議再開の晩餐会が昨日開催
されたとのこと。

日本の拉致家族の皆さんから見れば、さぞ、悔しいことではないかと思う。

かつて、日本は外交に破綻して第二次大戦に突入したが、それを、「あれだけ
アジア諸国を侵略して悪いことをしたらアメリカを始めとした世界の諸国を相
手の戦争に突入しても仕方がなかった」とか、「すべて軍国主義、日本の軍部
の責任だった」という、論評が戦後幅をきかせているが、決して、そんなこと
ではないということが、この一事を見てもよく分かると思う。
しかも、当時の日本は決して、今の北朝鮮のような「突拍子もない」国ではな
かったのにである。
アジアの侵略といっても、西欧諸国がさんざんアジアに版図を広げてきていた、
それまでの歴史を見れば、別にそれほど悪いことではないようにも思えるのだ
が・・・。しかも、日本は、松岡洋右率いる外務省が三国同盟にご執心するま
では精一杯、欧米諸国に協調しようともしてきた。(詳しくは、本篇をお読み
いただきたい)

内政にしても外交にしても、政治とは、所詮、パワーと利害の調整である。理
想の追求ではないという意味である。
したたかさのない政治は、政治とはいえまい。


今の政権は「美しい日本」を追求するという。
したたかであるから、そういっているのならいいのだが、本気で取り組めば、
また、厄介なことになるような気がしないでもない。

そういえば、現首相、松岡洋右とは親戚でもある。